犬のしつけにクリッカーって使う意味あるの?「褒め」への効果は?

犬のしつけにクリッカーって使う意味あるの?「褒め」への効果は?

犬のトレーニングの道具としてよく登場する「クリッカー」という道具は

主に正解行動を教えることや、
新しい芸を覚えさせるためのツールとして

犬がものを覚えるために有効と言われ、
さまざまな種類のトレーニングシーンで活躍しています。

プロのドッグトレーナーや、
訓練士さんなどにしつけを習ったことがあるという人は
クリッカーという道具に馴染みがありますが、

一般の、犬を飼っている家庭ではクリッカーを最初から使っていて、さらに使いこなしているという人はあまり多くないと思います。

馴染みのない物のため、
◆具体的にはどういう風に「褒め」対して効果が働いているのか?
◆クリッカーを使い始めたことで発生するデメリットはないのか?

など、
クリッカーってわざわざ使う意味あるの?
という疑問も出てきます。

そこで、

この記事では、
クリッカーは具体的にどんなところで力を発揮して、
しつけ・トレーニングにどのように影響するものなのか

というところを解説します。

先に言っておくと、
クリッカーは、プロや犬のしつけがうまい人、熟練の人が使う「玄人向け」のものではなく、
犬を初めて飼った初心者であっても、犬とのコミュニケーションやしつけに多いに役立てることができる道具です。

ぜひ、クリッカーの魅力を知って、愛犬との毎日に取り入れてみてください〜

この記事でわかること
  • クリッカーを使う意味合いについて
    ・クリッカーで「褒め」を伝えた場合、犬は、どういう条件で、どの瞬間に
    「褒められた・これが正解なんだ」と感じているのか?

    ・カチッというだけのつまらない音で、
    正解・褒めというポジティブな気持ちは伝わるの?
  • クリッカーを使い始めたことで起こるデメリットについて
    ・使って褒める時と、使わないで褒める時では、差は出てしまうのか?

    ・今後ずっと使い続けなければ何も覚えてくれなくなってしまうのか?

クリッカーを使う意味

クリッカーを使う目的を一言で言うと
「正解」を伝えることであるということは、知っている方も多いと思います。

具体的な意味合いとしては、
正解行動をしたその一瞬のタイミングに対して
「今のそれ良かったよ!」というメッセージを、
体感的にわかってもらうために使う道具です。

体感的に、
という教え方になる理由としては、

仮に、人間でクリッカーを使って何かを教えようとした場合、

「いい感じにできた時は、その瞬間に、このカチッという音を鳴らしますので、
音が鳴った場合は、いいタイミングで正解の動きができたという意味だと思ってください」

といった事前の言葉での説明ができますが、
当然、犬にはそれができないので、

犬に対して同じ意味を教える時には

おやつをもらえた喜びとセットにして
何度も同じシチュエーションで体験させて

その経験を通して意味を知ってもらう、という方法になるというわけです。

道具なんかで褒めたい気持ちは伝わるの?

クリッカーって、
褒めるための道具だとはいうけれど、

なんとなくのイメージで、
無機質で愛情がないような感じがあったり、
しつけというより一方的な調教みたいだな、
と感じる人もいると思います。

そもそも、
愛犬に対して「いいこだね!」「そうそう!」と褒めのニュアンスを伝えたい場合というのは、

具体的な言葉にするならば、

正解を教えるという意味の伝達の役割はもちろん、
飼い主からの喜びや嬉しさを伝えて、一緒に喜びを分かち合うという感情面での役割も担っているものなので、

あの無機質な、カチッという音で褒めを伝えるのは、
犬の感情してどうなのか?と疑問に思いますよね。

ここがポイント

結論から言うと、
クリッカーを使っても、
感情のない冷たい調教にはなりません。

なぜかというと、
実際に喜びを伝える役割をするのは
クリッカーではなくて
「飼い主の褒める言葉や表情など」であるからです。

じゃあ、
クリッカーは何の役割なの?
ということですが、

クリッカーは、
正解だった「瞬間」を体感的にわかってもらうガイドの役割をしています。

カチッという音で
「今のこの瞬間の意識・行動が良かったんだよ!」
という体感的なタイミングを伝えた上で、

褒めの言葉やおやつのご褒美をもらうことで、

犬は
「あ、音がなったってことは、
今の行動や判断は正解だったんだな、了解。」

と理解するのです。

つまり、
正解したんだ、と納得して理解することと、
飼い主の褒め言葉や嬉しそうな姿で喜びを感じるのは別物
なので、

クリッカーという道具でしつけを行ったからといって、
冷たい無機質的なものにはならないということになります。

ずっとクリッカーを使い続けなきゃいけないの?

新しい芸を教えたり、
正解行動や判断を新しく教えるために、クリッカーを使ってみようかなと思う反面、

クリッカーで教えたことは、
いつも使い続けないと正解行動ができなくなってしまうのではないか?
というデメリットが頭に浮かんだ方もいるのではないでしょうか?

もし、
◆一度教えて、ちゃんと覚えきった芸や行動なのに、
クリッカーの音が無いと、褒めが伝わらなくなってしまった

◆新しい芸を教えたいと思っても、
口で褒めただけでは全然覚えてくれない

というようなことが起こってしまうのであれば、
最初から、クリッカーなんか使いたくないですよね。

ここがポイント

心配無用です。

クリッカーを使い始めたら
「クリッカーに依存しなくてはいけない」なんてことはありません。

おやつで褒めるのと同様に、
正解が何にもわからない・まだいまいち認識できてない状態の
「犬に対しての初心者ガイド」として使うものなので、

指示や行動に慣れてきたら
徐々に使わなくしていきます。

・おやつ=「いいこ」などの言葉の響きと「あなたの行動は正解だった」という意味を結びつけるための補助(クリッカーの音=正解を結びつける補助)

・クリッカーの音=「今」のそれが良かったんだよ!という「その瞬間の行動に対しての褒め」を体感的に認識してもらうための補助

であるため、
それぞれの意味を理解してしまえば、
あとは口やスキンシップで褒めるだけで十分伝わるようになるのです。

タイミングがシビアな芸などは、クリッカーを使った方が楽ですが、
新しい芸を教える際、クリッカーなしで教える方法に変えても問題ないので、その点でも安心です。

まとめ

クリッカーは、誰でも簡単に使いこなすことができますし、

言葉での説明ができない「犬」に対して、言葉の意味や、してもらいたい行動を効率的に教えることができる便利な道具です。

使い方さえマスターしてしまえば、

新しい芸やルールを覚えさせるのに大いに役に立つ「翻訳機」のような便利な存在になります。

愛犬とのコミュニケーションの幅も広がって、しつけや訓練がより楽しくなりますよ。

まだ試したことがないという方は、
ぜひ使い方を学んで、愛犬とのトレーニングに役立ててみてください〜

おまけ:この記事を書いたきっかけ

『イヌバーシティ』という犬のしつけ教材の
しほ先生の解説を聞いて、実践してみたところ、
クリッカーの便利さや、
クリッカーでのコミュニケーションの楽しさを実感することができたので、

この記事では、
そこで学んだクリッカーについての知識に、
使う前の自分の疑問・世間の疑問などを加えて解説させていただきました。

参考にした『イヌバーシティ』については、
様々な内容で記事を書いていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

最後までご覧くださりありがとうございます!

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