【犬のしつけでのリードショックの必要性】どんなやり方でもNG!?

【犬のしつけでのリードショックの必要性】どんなやり方でもNG!?

犬のしつけの方法の中で、
リードショックという手法について聞いたことがある・やったことがあるという方はとても多いと思います。

一般的に、
多くのドッグトレーナーや飼い主がこの方法を使っていて、しつけ法としても馴染みがあり、
犬を誘導・コントロールできるようにする有効な方法とも言われています。

しかしその一方、
平たくいうと「犬の首にショックを与える」という動作を行うものであるために、
虐待に近い、犬の行動学的に沿っていない古い方法だ、といった反対派の意見も出ています。

そこで、この記事では、
そんな賛否ある、リードショックという手法について、掘り下げて解説をしています。

それでは、
やって良いものなのか?
やってはいけないものなのか?
肯定反対それぞれの意見や考え、結果として犬に与える影響などを踏まえて見てみましょう。

この記事でわかること

・リードショックは、犬にとって良い・悪いどちらの意見が正しい?
・良いとされる理由・やってはいけないとされる理由
・リードショックは本当にしつけに取り入れるべきなのか?

リードショックって良いの?悪いの?

結果から言うと、

リードショックは

⭕️犬とのコミュニケーションを取るために有効だからやっていい

❌古臭い方法だし、犬を痛めつけるだけだからやってはダメ

両方正しいです

……え!!!

一見、何だよ!と思いますが、
理由を説明します。

良し悪しを決める要素

良い手法である・悪い手法である
どちらも正しいと述べた理由はここにあります。

ここがポイント

⭕️痛みや恐怖を与えないことを徹底し、前向きなコミュニケーションを取ることを目的としたリードショックはOK

❌とにかく心を折らせて服従させる目的の一環として、痛みや恐怖を材料に使っているリードショックはNG

どちらが正しいという議論は、
リードショックを行うにあたっての
目的や方針・それに沿ったやり方の違いよって決定づけられます。

「これはやり方での違いではなくて、
どちらに転ぶも気持ちの問題なんじゃないの?

と感じた方もいるかも知れませんが、

実は、
同じ「リードショック」という手法でも、
実行する人(訓練士など)によって、
やり方や方針ががらっと変わります。

それでは、
世の中に存在する「やり方」の例について解説していきます。

リードショックのやり方の色々

◆まずは、リードショックの際の注意点を踏まえながら、
やってはいけないという意見の多いやり方例を見ていきましょう。

NGとされることの多い目的とやり方

【目的と理論】
リードショックは、
天罰方式の手法の一つとして行うものだ。

間違った行動をすると天罰が下る(嫌なことが起こる)と学習させるのが目的。

痛みや、怖い音(チョークチェーン使用時など)を感じることによって、もう痛いのは嫌だと理解し、ダメを覚えることで、結果として飼い主のいうことを聞くようになる。

【やり方例】
・刺激が伝わり、キャンというくらいの強い力で引く。

上記のように、
犬の首に衝撃を与えて、「恐怖や痛み」を以って犬にいうことをきかそうとする方針のやり方があります。

メカニズムとして似たものを挙げると、
田畑の害獣除けの電気柵のようなイメージです。

「もうあんな目に遭うのは嫌だからやめる」
という思考回路に持っていくのが狙いです。

現代で好まれない理由

暴力だ!というのも、もちろんそうですが、
犬の研究は進んでいるのに、昔ながらの考え方に囚われてしまっている、
つまり、「古臭い方法」であるというのが、好まれない理由の一つです。

犬は、仲間との協調性や、団体行動にあたっての役割分担が本能に刻まれている動物なので、行動心理に基づいたアプローチの仕方をすれば、ルールを理解することができます。

人間が意思疎通の知識を持っていれば「話せばわかる」相手なのです。

犬なんて、言っても動物でしょ?という考えを改め、早くアップデートすべきでしょう。

◆それでは、しつけに有効という意見が挙がっているやり方は一体どのような考えに基づき、実行に至っているのでしょうか。

しつけに有効とされる目的とやり方

【目的と理論】
リードショックは、
人間の言葉「NO」と刺激を関連づける、
つまりコミュニケーションをとるための手段である。

母犬が、子犬に注意するために首元に軽く噛み付く刺激など、犬同士での指摘の際の動作を再現するような感じ。

NOの掛け声と共に、最適なタイミングで、最適な位置に、適度な刺激を与えることによって、
ダメ・イケナイなどの人間の言葉の意味を、犬にとって理解しやすくするのが目的。

【やり方例】
・適したタイミングでのみ、一瞬だけ素早くリードを引き、犬をハッとさせる。

犬同士のコミュニケーションと、
人間の言葉でのコミュニケーションの「擦り合わせ」のような意味合いで行う手法が上記のものです。

日本語を外国人に教えてあげるようなイメージです。

この人の言ってる「ダメ」っていう言葉は、お母さん犬が注意してくれた時の、あの意味と一緒か!と、頭の中で結びつけてもらうのが狙いです。

そのため、
首への刺激がトラウマになるようなやり方はNGです。

実行する際には心得を

ここで注意!
方針・やり方次第では、
安全かつ、役に立つということが分かりましたが、

それがわかった時点で実行に進むのは、まだ危険です。

雰囲気と、にわか知識だけでは、
リードショックが犬にとって害になってしまうリスクがあります。

NOを伝えたいからリードを引く!
を繰り返すだけでは、
犬が理解してくれるどころか、回数を重ねるごとに犬の首を痛めつけてしまう結果になりかねません。

しつけ教室で教えてもらった人であっても、
ネット情報で知識を得た人であっても、
実践する人が、「リードを引いて刺激を伝える」という表面的な部分以外の、必要な要素もきちんと意識していなければ、

せっかく一生懸命やっても、犬に伝わることはありません。

ここが全ての土台

「リードショック」というのは、
リードを引く手の動きや強さ・タイミングなどをマスターするといった、物理的な動作のことだけではありません。

リードを引くその一瞬で、意思疎通を図るというところが要になります。

やり方だけが先行して、
本来の目的を疎かにしてしまうと様々な弊害が起こります。

◆知識不足・認識不足によって引き起こされるよくある失敗例としては、次のものが挙げられます。

・よくない行動をしたからリードショック。注意してもすぐまた注意…を繰り返し、良い反応がないとリードを引く強さが増していく。でも良くならない。

・すでに興奮している犬に対して、ガンガンリードを引いて対処しようとしてしまう。

・ショックを与えても失敗が続いて、感情が前に出てしまう。

・リードの引くタイミングが遅すぎていることに気がついていない。

・そもそも通常時のリードの持ち方がよくないため、適した刺激を与えるのが難しくなっている。

ちなみに、これはリードショックと言わない

スリップリードやチョークチェーンなどで、引っ張ると首がしまって、苦しさによって引っ張り癖を直す、というやり方。

※そもそもこの方法が、ひっぱり癖に効果があるのか?という点に関しては、この記事の趣旨とずれるので割愛します。

ここがポイント

失敗を未然に防ぎ、
リードショックを安全に、効果的に行うには何が必要なのでしょうか。

それは、
まず、正解の行動を認識させておくこと、
その教えたルールを守って、常に飼い主に聞き耳を持ってくれるように努めることです。

【重要】リードショックのやり方だけでは犬には伝わらない!?

正解行動のルールを共有しておくことが大切

なんの準備もなしに、
リードでNOを伝えたい、と思っても、
正解がわからなければ、何がダメだったか伝りません。

そのため、注意を促す前に
「じゃあどうするべきだったのか」という行動を先に教えて、犬とルールを共有しておくことが大切です。

「リードショックのやり方を調べて、その通りやってみたのに、何度やっても効かない」というケースがありますが、

「そもそも何に対して怒られているのかわからない」というのが原因になっていることが考えられます。

犬が飼い主に耳を傾けるような関係づくりが鍵

こういう時にはこうしてほしい、という思いがあっても、
犬がこちらのいうことを聞こうという姿勢がないと、
正解すら身につかせることが難しくなります。

こちらから一方的に、どうにかしたいと働きかける前に、
犬にとって、背中を追ってついて行きたいと思う存在になることが基本となります。

こんな悩みがもとになっている方は要チェック

「リードショックのやり方を学びたい」
と、情報集めをしている方の中には、
以下の悩みがもとになっている方もいるのではないでしょうか?

◆散歩での引っ張りぐせを直したい

◆「これはダメ」という意味をきちんと伝えたい

(チャイム吠え解決などのトレーニングに取り入れたい、なども含む)

これらの場合も、
リードショックや、叱り方でどうこうしようとするところだけに集中するよりも、

犬の意識をうまく誘導できるポイントを先に学んだほうが効率的です。

場合によっては、
リードショックなんてほとんどやらずに改善していくことも難しくありません。

愛犬の首に幾度も刺激を与える機会も減るというメリットもあります。

もし、
リードショックの方法を知りたい大元の悩みが、上の内容に当てはまるのならば、

以下の、

各種解説している記事で
解決法が見つかる可能性大です!

ぜひ参考に、目を通してみてください

◆引っ張り癖で悩んでいる飼い主さんへ

ぐいぐい引っ張る愛犬の首が心配、
散歩に連れて行くたびに綱引き状態で辛い、
他の犬に勢いよく向かっていく癖があって困っている、

悩みの理由は様々でも、

誰しも、最初に取り掛かるのは、
「引っ張ってはいけない、ということを教えたい」という方向だと思います。

しかし、
引っ張り癖の原因の
本当の「芯」になっている部分を知っていますか?

以下の記事では、
ただ単に「引っ張るのはだめ」と教え込むのではなく、

きちんと原因・犬の心の本質を知って
犬が自主的に、
飼い主へ協調性を持ってくれるようにする解決法についてまとめていますので、

引っ張り癖直しのためにリードショックの方法を知りたい!
と思って情報集めをしているという方は、ぜひ以下の記事もご参考に。

※記事の内容は子犬にも有効です

◆きちんと「ダメ」の意味を教えたい飼い主さんへ

散歩での興奮癖を直したい、
チャイムへの警戒吠えなどをやめさせたい、

など、
「それはやめてね」ということを、愛犬に教えたいという目的で、

トレーニングの中でリードショックを取り入れてみよう、
と今 情報集めをしている飼い主さんもいると思います。

もちろん、
よくない行動だったということをちゃんと伝えられる方法を知りたい
というのが一番だと思いますが、

そもそも犬は、
単にマイナスの出来事(例:吠えると怒られる、リードショックをされて嫌だ)
という条件付けだけで「ダメ」を理解する、行動を控える意識がつく動物ではありません。

以下の記事では、
犬のものの見方をきちんと知る方法や、
いざ、叱った時に効果を発揮しやすくなる要素
についてまとめています。

やってはダメな行動を犬にきちんと教えたくて、
リードショックのやり方を調査していた!という方は、

ぜひ以下の記事の内容をヒントにしてみてください。

結局、リードショックってやっていいの?

リードショックって良いの?悪いの?
➡︎一口にリードショックと言っても、実行する人によって方針や目的が全く違う。良い・悪いは、言葉だけでは判断できない。
目的に沿ったやり方を正しく知って行えば、しつけに効果的である。

自分でやるときの注意点
➡︎小手先のやり方だけしか知らずに実践したり、本来の目的を忘れて、ダメを伝えたいことだけを考えてはいけない。
まずは、犬と普段の行動のルールを共有しておくこと、
そして、良いこと・悪いことのルールを聞き入れてもらえるような飼い主になっているかが結果を左右する。

トレーニング用に適したリード探しについてはこちらの記事もご参考にお使いください。

軽い力加減でも
犬へ伝わりやすく、多くのドッグトレーナーも愛用しているリードを紹介しています。

この記事へのコメントを書く